オリコンに表記されない売上3

今聞いてる曲

もってけ!セーラーふく Re-Mix001 -7 burning Remixers-

もってけ!セーラーふく Re-Mix001 -7 burning Remixers-

▲先日、アニメ・電波曲として実質チャート1位を記録した「もってけ!セーラー服」のリミックスで、本作も実質初登場2位を記録。てかこれはマジでヤバいよ。原曲もすごかったけど、本気でコアなリミックスかけちゃった。原曲がよかっただけあって音楽的にもネタ的にもすごく聞きごたえがあります。



3月に考察を行っていた「オリコンに表記されない売上」の続きです。随分更新できず記事的にも古いものになってしまいましたが、今さらでも載せてみたいので書いてみます。



<前回までのあらすじと主張>
オリコンはたかだか全国の主だったCD店を対象に調査を行っているに過ぎず、それらの店舗に置かれていないCDはもちろん加味されていません。例えばアニメ関連CDは一般店よりもアニメ専門店や通販での流通が主流で、オリコン集計では過小評価されている可能性が高いジャンルかと思われます。近年TOP10入りを当たり前の様にしてくるこれらの曲の中から、その代表として「涼宮ハルヒの憂鬱」を例に取りました。この「涼宮ハルヒ」は深夜アニメで、しかも地方局でしか放送されなかったアニメにも関わらず、関連CDの売上はオリコン集計でさえ60万枚に達している、局地的人気を代表する大ヒット作。では、これらのCDはオリコン集計と比べてどれくらいの誤差があるのでしょうか。



という訳で今回は、そういったオリコン集計店に置かれにくいCDの実際の売上はどのようなものなのか』を考察していきたいと思います。



しかしその前に数点、前回の記事の訂正を行いたいと思います。まず『TSUTAYAすらオリコンの集計に入っていない』としましたが、どうやら現在は集計に入っているようです。もう一つ『アニメ・声優界で歴代1位の曲』みたいな記述をしましたが、歴代ではなく00年代のお話です。注釈が抜けていました。それぞれ訂正します。ご指摘ありがとうございました。


それでは本編を。





ここからが本番です。あまりオリコンで集計されにくいだろうこれらのCDは、実際どれくらいの売上と考えるのが妥当なのか。もう前回の極端な例みたいな100枚やそこらの話ではありません。100,000枚の話です。もし20倍ならダブルミリオンです。実際ゴールドディスクにもなったこれら特殊なヒット曲は、やはりJ-POP好きとしてある程度規準を持っておくべきであると思い考察しました。



一般曲で見ると、ミスチルの「四次元 Four Dimentions」がオリコン92万で出荷100万や、倖田來未の5万限定12週連続リリースがオリコン45,000枚程度ということより逆算すると、一般のCDはオリコン+5%〜10%増くらいで収まっています。そこでアニメも出荷枚数より検証しようとしたのですが、そこまで正確なデータを持っていないため、あくまで推測のレベルであることをはじめにお断りしておきます。(だったら書くなとか



まずエンディングの「ハレ晴レユカイ」は、7月に10万枚出荷の証である「日本レコード協会ゴールド等認定作品」に認定、出荷は当時12万枚というデータがあります。しかし同時期のオリコン累積得点は6〜7万程度。当時はアニメも放送されており、その頃は後に騒動と言われるほど品薄だったらしいので、仮に出荷枚数の95%は販売されていたとしましょう。となると、実質売上はオリコン数値の1.7倍〜2.0倍程度。思ったより想定の範疇ですが、一般の1.05倍〜1.1倍に比べると大きな幅です。オープニングの「冒険でしょでしょ?」も出荷8万枚に対しオリコン4万〜4.5万で、同程度の幅でした。


7月ゴールド認定時「ハレ晴レユカイ」の各データ
ゴールド認定  100,000
発売元出荷枚数 120,000
オリコン累積   60,000〜70,000
仮定売上枚数  114,000(発売元出荷枚数×0.95)
オリコン幅   約1.7〜2.0倍(仮定売上枚数÷オリコン累積)

  

そこで次はもっと一般店に置かれない、キャラソング(声優がアニメ内のキャラとして出すファン向け曲)を見てみます。この「涼宮ハルヒ」関連のキャラソングは現在9作(Vol.1〜Vol.9まで)出ており、いずれもオリコンでは2〜3万枚前後の売上得点になっていますが、この中から最も盛況だったVol.1〜Vol.3を見てみます。これも7月に合算で出荷枚数15万枚というデータがあります。そしてその時のオリコンは合算で7万程度。幅は2倍少しと、やはりマニア度が上昇すると幅も大きくなる傾向にあるのかもしれません。



今回の「涼宮ハルヒ」関連CDは、アニメ系の中でも「めざせポケモンマスター」(オリコン115万枚、出荷200万枚)以来、近年最大級の規模という特殊性はあるものの、今チラッと挙げたポケモン(幅1.8倍程度)と比較しても、アニメソングとオリコンの関係を見るにはそこそこの題材ではないかと思います(「めざせポケモンマスター」はコンビニや露店でも売ってたしね…)。ひいては近年チャート上位に見られるオリコン3万枚前後のアニメ関連CDも、恐らくこの程度の中に収まるであろうと推測できます。



そういうことで今後、中規模アニメ関連作品の売上はオリコン累計の2倍弱ということに仮定します(脳内)。ちなみに一般作は1.1倍、発売元ジャニーズエンタテイメント作は0.8倍くらい、その他コアジャンルの作品(一般店では置かれにくいCD)も中規模ヒットなら約2倍としてみます。演歌なんかも専門店が多いですが、こちらは正直まだよくわかりません。氷川きよしの様に一般曲と変わりないくらいなら通常通り1.1倍程度でいいかもしれません。(←これは全てのジャンルで言えます。「千の風になって」なんか、どこのCD店にもありますしね)



こうなると「ハレ晴レユカイ」は実質18万枚程度になりますか。一般作を1.1倍すると年間チャートで見れば50〜60位前後、大塚愛フレンジャー」やケツメイシ「男女6人夏物語」、堂本剛ソメイヨシノ」と同程度になります。まあこんなもんじゃないでしょうか。関連シングルの総売上は…100万枚程度になりますか。こっちはこっちで意味深な数字です。



とりあえずこういう結果にしましたが、やはり本心としてはやはりいつまでもCD売上を指標にするには限界があると思います。正直なところ、流行シングルチャートにコアなアニメソングがどんどんTOP10入りするというのはどうかと思いますよ。今回の「ハルヒ」くらい力のある作品ならまだしも、マニアだけが一定数を買う曲がチャート上位にポカンと出てくるのはやはり異常です。人気のある曲を的確に捉え、またジワジワと人気を上げている作品が実を結ぶ、そんなランキング基準を再構築する時は近そうです。