スイートルームナンバー１／美勇伝
- アーティスト: 美勇伝
- 出版社/メーカー: ピッコロタウン
- 発売日: 2005/10/26
- メディア: CD
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モーニング娘。を卒業した人気メンバー石川梨華を中心とする３人組ユニット、美勇伝が結成されて１年、本作は先行シングル５曲を含む待望のデビューアルバムだ。サウンドプロデュースはもちろんつんく。
【収録曲】
１．チェックイン ２．カッチョイイゼ！JAPAN ３．愛〜スイートルーム〜 ４．紫陽花アイ愛物語 ５．恋のヌケガラ ６．Tea Break ７．ひとりじめ ８．クラクラディナータイム ９．クレナイの季節 10．唇から愛をちょうだい 11．パジャマな時間 12．まごころの道 13．チェックアウト
【長所】
▲ファン待望の１枚
モーニング娘。、松浦亜弥など、多くのアイドルアーティストを手がけるつんく♂をはじめとしたプロデューサー陣が、彼女たちだけのためにアルバムを制作し発表した。コンピレーションなどだけで済まされる可能性もあるこの陣営では、デビューから１年でアルバム届いたということだけでファンにとっては朗報だったろう。
▲シングル曲の出来が良い
たかがモーニング娘。系のユニットと侮るなかれ、シングル曲に関して手を抜いた様子は一切なく、ちゃんと音楽として素晴らしいメロディーセンスを誇る曲がガンガン並ぶ。先行シングル５曲の中にはつんく♂作曲以外の曲もいくつかあり、一辺倒にダラダラと曲が過ぎることもない。
▲美勇伝の名の下に
日本の女性の「美」しさと「勇」ましさを伝えるというコンセプトが一応あるだけあって、モーニング娘。などに比べおふざけの過ぎた痛々しい曲が少ない。調子に乗り過ぎなければ名曲、というつんく♂作品においてこれは非常に助かる。「紫陽花アイ愛物語」や「唇から愛をちょうだい」といった真面目な曲がとても聞き応えある。
【短所】
▼歌が下手にも程がある
上記の長所を総合的に打ち消してくれる彼女らの歌唱力。ハロプロ内だけでなく、恐らくこの世に存在するプロ歌手の中でも最低レベルだろう…。本気でがんばってこれなので、芯の通った真面目な名曲であればあるほど、本当どうにかならんのかと思う。
▼頼むから半端にフザけないでください
イントロとアウトロに収録されているおフザけコント「チェックイン」と「チェックアウト」。アルバム全体のストーリーとして、ホテル→アイドルとしての仕事先→ホテル というコンセプトがあるのはいいのだが、その始まりと終わりでわざわざフザけなくていい。ファンには喜ぶ人もいるかもしれないが、最初から最後まで結局コントなのかと、ハッキリ言ってアルバムどころか美勇伝のコンセプトさえ崩しかねない。
【おすすめ曲】
４．紫陽花アイ愛物語
非つんく曲にして、屈指の名曲。シリアスながらテンポよくハイペース、おまけに古臭さも少ない。半端な３３７拍子が多少マイナスだが、そんなもの全然気にならないほどメロディーに秀でている。超おすすめ。
７．ひとりじめ
Ｒ＆Ｂっぽさを加えたミディアムリズム曲。やはり至ってシリアスな展開が良い。そして特筆すべきは誰が聞いてもしっくり来るサビのメロディー、そして曲全体の壮大さである。この曲ばっかりは、肝心のサビの聞き所が綺麗に合唱できていることもあって、歌の下手さをも打ち消してくれている感じがする。
11．唇から愛をちょうだい
前半は言い放ったようにヘタクソな韻を踏むおフザけ曲なのだが、Ｂメロからサビにかけては一変して壮大な雰囲気に。コロコロと切り替わる曲の雰囲気を対比させて聞くと面白い。
５．恋のヌケガラ
やはり美勇伝らしさが一番あると言えばこの曲。元シャ乱Ｑはたけ作曲、切ない女性詞でアイドルに限らず様々なアーティストに詞を提供してきた湯川れい子作詞、ということで、ハードながら切なさが残る名曲に仕上がっている。もちろんアルバムでもその勢いは衰えていない。
【総評】 Ｂ
歌唱力の致命的な悪さはあるものの、曲レベルの高さは高さで評価したい。声がどうしてもダメだ、聞いてらんない、という条件を百歩譲って我慢できるのならば、メロディーの良さを存分に楽しむことができるだろう。
