Rio de Emocion/Dragon Ash
- アーティスト: Dragon Ash,アイニ,HIDE,UZI-ONE,Shinji Takeda,136
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2005/09/07
- メディア: CD
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先行シングル「Crush the windon」などを含む、Dragon Ash待望の7thアルバム。新メンバー加入後はブレイクビーツ主体のオリジナリティー溢れる作品続いており、本作にも大きな期待がかかる。
【収録曲】
1.Intro 2.Los Lobos 3.Resound 4.Palmas Rock 5.Scarlet Needle 6.夕凪Union 7.The Narrow Way 8.Clover leaf 9.Illogical 10.Round Up 11.Loca Burnin' 12.Crush the window 13.朝凪Revival 14.See you in a Flash
【長所】
▲日本の音楽シーンでの数少ない救世主
Dragon Ashほど今の日本のヒットシーンで異色な存在はいない。自分たちの好きな音楽を前面に出しながらも、この売れてなんぼの世界でやっていけている数少ないユニットであるのがその理由だ。Japanese HIP-HOPを1ジャンルとして根付かせた功績が素晴らしいのはもちろん、それをデビューから10年近く経った今も続けてられるスタミナと情熱にはただただ感心するばかり。本作も初登場1位を記録し、彼らの築いた感動は今も大きく鼓動していることを証明している。そんな彼らの約2年ぶりの作品…こちらも本気で聞く必要があるだろう。
▲自分たちのこだわりを好き勝手に
Dragon Ashというバンドは元々はロック、HIP HOP、そして現在はダンスラップユニットへ変貌を遂げている。その時々にやりたいことを好き勝手やる気風はやはり本作にも息づいており、本気で楽しむために作られた曲の数々が僕らに音楽というものを教えてくれる。内容は本作もブレイクビーツに完全統一。本当に自由奔放だ。こういった信念を持ったアルバムには自然と優先的に手がのびてしまうと思う。
▲本当にしびれるサウンド
このサウンドとラップの絡み合いは本当にしびれる。他のエセHIP-HOPでは感じることのない独特の間の取り方や、スクラッチとエレキギターの同時進行から来る曲全体の重厚さはやはり彼らにしかできないことだと思える。跳ねた曲調もあって、そういったノリの中の細かい気遣いも最大化されているのだろう。このこだわりは先行シングル「Crush the window」はじめ、ほぼ全ての曲で効果的に使われている。流して聞くとどれも一定のリズムが打ち付けられるブレイクビーツだが、是非1曲1曲に込められたこだわりを意識して聞いてみて欲しい。非常に効果的に音楽出来る要素が詰め込まれているのがわかるハズだ。
▲ツインボーカルが効果大
3曲目「Resound」、4曲目「Palmas Rock」、11曲目「Loca Burnin'」は各曲ゲストボーカルを招いてのツインボーカルだ。これがDAサウンドと相性ばつぐん。曲に重厚さをつける、ハモる、そして楽器としての声、全てプラスに働いている。要注目。
【短所】
▼足かせになる音楽
上記の通り非常に音楽させることに秀でた作品なのは間違いないが、その特徴である独特の間の取り方やこだわりなどが、聞く人によってはどうもしっくり来ない「足かせ」のような感じになってしまうかもしれない。全曲に渡ってこのような感じなので、合わない人はどうしても退散せざるを得ない。
▼せっかくだから「Shade」も入れてくれよ
04年の先行シングル「Shade」が未収録。ハードロックで本作には不似合いかもしれないが、やはりアルバム待ちしてたリスナーとしては入れといて欲しかった。安易にベストアルバムをリリースするユニットでもなさそうだし…。
▼均一すぎるアルバム
ひとたび流して聞くと、もうどの曲がどの曲か全然わからない。シングル曲はさすがに特徴的だが、アルバム曲は慣れていないと違いが全然わからない。こうやって全体を楽しむのもありだが、やはり1曲1曲楽しんでこその楽曲がたくさん詰まったアルバムだと思うので、特に中盤には注意を払って聞いて欲しい。
【おすすめ曲】
12.Crush the window
何といってもこの先行シングルの出来が良すぎる。元々サビのしっかりした特徴ある曲だったが、改めてアルバム曲と比較することで、やはり途方もなくレベルの高い曲だと再認識した。
7.The Narrow Way
体育館でバスケ部が鳴らすキュッキュッって音を音楽に変えてしまったことと、アコギのシュールなサウンドがツボにはまった。後半はエレキギターが独占、そのままの雰囲気で曲が終わるのもむっさイイ。
2.Los Lobos
やはりタイトル曲。アルバム全体の雰囲気を伝える勢いとムードは他の曲の追随を許さない。フラメンコのように素早い手拍子を軸にした音楽と、サビの思い切ったメロディーがこの先を案じさせる。
5.Scarlet Needle
ベースメロディーとスカーレッッ!というフレーズの歯切れのよさを評価。リズムの高揚も手伝って、細かな気配りにも気付きやすい。初心者はまずここから。
3.Resound
feat. HIDE+136の3人ボーカル。特にサビの部分の合唱は、1人ではここまでの臨場感は生まれまい。楽曲自体のレベルも非常に高く、3曲目に置いたのに猛烈に納得。
【総評】 A
こんなに楽曲自体を素直に楽しめるアルバムは久しぶり。ガチガチした聞きにくさはあるものの、慣れてしまえば一生のお気に入りにもなりうる名作。気分を高揚させるときには是非欲しい1枚だ。