空創クリップ/スキマスイッチ

空創クリップ

空創クリップ

空創クリップ 05'7/20 1位


 待望のシングルヒット曲「全力少年」を含む、スキマスイッチの2ndアルバム。前作の何気ない出来の良さからも、この2枚目を心待ちにしてた人は多いはずだ。


【収録曲】
1.君に告げる 2.全力少年 3.水色のスカート 4.冬の口笛 5.フィクション 6.さみしくとも明日を待つ 7.キレイだ 8.かけら ほのか 9.目が覚めて 10.飲みに来ないか 11.雨待ち風

【長所】
▲何気ない普通のよさ、健在!
 安心して聞ける何気ないピアノポップスは今作ももちろん健在。全体を通してもきれいな出来となっており、とんでもない失敗作なんじゃ…という心配は全くしないでいい。
▲曲順がお見事
 「君に告げる」でイントロの後、2曲目はもちろん「全力少年」で景気づけ。中盤も盛り上げどころを作りつつ、感情の移り変わりはスーッと入り込んで来る組み合わせが光る。終盤「飲みに来ないか」で一件落着させ、ラストは「雨待ち風」で完璧に締め。こうして全体を通して聞くとイメージに対する曲順が非常に秀でている作品だと言え、どちらかと言えば一辺倒だった前作に比べ1枚のアルバムとして聞きやすい印象を受ける。
▲「キレイだ」スキマスイッチバージョン
 ご存知w-inds.のヒット作のセルフカバー。w-inds.ファンの間でも非常に人気のあるこの作品を、まさかスキマスイッチバージョンで聞けるとは!歌詞も彼らの方がしっくり来るのに加え、明るい感じのロックポップスで歌い上げてくれるのがたまらない。


【短所】
▼1曲1曲で比べると前作より落ちる
 全体としては曲順もしっかりしているが、曲の重厚さなんかで見ると決して前作を越えているわけではない。例えば「奏」のような天才的な楽曲は本作には不在である上、勢いのある曲でも印象に残るのは「キレイだ」くらいだ。「全力少年」程度しか知らないという人で、純粋に彼らを楽しみたいと思う人は前作から入った方がいいかもしれない。
▼実質10曲は印象悪いぞ
 ファンの希望とは大きくはずれ、流れ重視の内容でリリースされた本作。それに即し、たっぷり聞きたかった人も多かったであろう彼らの曲は、今回実質10曲という貧弱さになっている(「君に告げる」をイントロ曲として取る)。これを少し残念なことだと思う人も多いかもしれない。

【総評】 A
 曲の内容的には前作を超えたとは言いにくいが、全体の流れという部分に関しては一分の隙もない。そういう観点で見れば曲数の少なさも許容でき、かなり充実した1枚であると言える。