TUBE TUBE

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TUBE 05'7/20 最高位4位


もはや説明不要、毎年夏に贈られてくる彼らのアルバム05年盤。先行シングルでは今年はあまり存在感を示せなかったが、アルバムはきっちり正攻法でリリース。夏の風物詩は健在。

【収録曲】
1.ジラされて熱帯 2.CANAL WAYS 3.SKY HIGH 4.Summer walker 5.Surfin'ロックンロール 6.ロケットハナビ 7.ともだち 8.破れたBlue Jeans 9.夏のseaside road 10.あなたはあなたのままでいてね 11.Miracle game 12.Seaside Vibration〜世界をつなげる扉ver.〜 13.a song for love

【長所】
▲TUBE 夏のアルバム
 彼らが夏にアルバムをリリースしてくれる、それだけで何か途方もない安心感がある。その上折りしも今年はTUBEデビュー20周年にあたり、その「TUBE」というアルバムタイトルもなかなか感慨深いものがある。
▲まさに良質 TUBE検定済み
 毎年毎年のことだが、内容はTUBE審査を通過済み。聞きやすいシンプルなスタイルは崩れることなく、それでいて聞けば聞くほど味が出る曲が多い。全体としてもうまいこと彼らの持てる力を分散できていて曲順もよく、シングル曲、アルバム曲共に特にチャチャを入れる隙間はない。
▲一歩一歩というスタンス
 聞いていて思うのは、正直TUBEは本格的な落ち目を迎えているというのに、活動の根底に一歩一歩進むという安定性があることである。欲張ることなく、それでいて手を抜くこともない。キッチリ13曲という力強さや、今年のテーマ曲である「Seaside Vibration」を意図的にイイトコに収録(しかもアルバムバージョン!)していることからもそれはわかる。これはモチベーションが低かったらできない。

【短所】
▼キングオブマンネリ
 今さら言っても仕方ないことだし聞く方もわかっていることだが、やはり新しい要素はほぼ皆無。新しい面白さもなければ、新しい展開もない。TUBEはTUBEだからいいんだ、ということで許されているが、本来ならばとっくに淘汰されているはずである。
▼ついにヒット曲がない
 なんのかんの言って毎年そこそこのヒットを放ってきた彼らである。近年では02年〜04年にかけての春夏秋冬シングルリリースが現状維持につながり、去年は新たなファン拡大の兆しも見られた。しかし今年は目立ったヒット曲もなく、また世間を賑わす話題性にも乏しかった。そんな中20周年を迎える彼ら。節目によくある「これから30年、40年と応援よろしくお願いします!」という風潮で盛り返したいところであるはずだが、今年はそれさえ逃している感もある。音楽性であれ、話題性であれ、来年の新たな一歩に期待したい。

【総評】 B
マンネリはマンネリであるが、そのオキマリ!といった感じの曲のバラエティー性と質の高さから、決して聞いて損した!というような悪い印象が残る作品ではない。これなら来年にも期待できる。