柴田淳 わたし

わたし

わたし

わたし 6位 05'3/30


生粋のピアノミュージックにポップスの雰囲気を混ぜた聞きやすいバラードを武器に、ついにアルバムTOP10入りを果たした彼女。シンガーソングライターとして成熟を迎える4thだけに期待は高まる。後に「幻」がドラマ主題歌としてシングルカット。

【収録曲】
1.おかえりなさい 2.白い世界 3.ゲーム 4.あの夏 5.ちいさなぼくへ 6.いつか王子様も♪〜拝啓、王子様☆続編〜 7.道端 8.また明日 9.幻 10.一人暮らし 11.わたしの夢

【長所】
しばじゅんワールド最高潮
これまでの作風を崩さず、またファンが望んでいた通りのしばじゅんワールドが今回も炸裂。クラシック+ポップスのバラードに完璧な旋律と、大方彼女の長所を完全に詰め込んでいる。
アルバムアーティストへ移行
これまでの経歴で見ると彼女は2003年にシングル「あなたとの日々」でブレイクを果たしているが、その割にはアルバムは注目されないアーティストであった。しかし最近ではシングルが20位以内に入らなくてもアルバムがTOP10入りするなどの形式に変わってきており、固定ファンの質が上がってきたと言える。内容が確実に認められていることの裏づけとなろう。
▲メロディーの質が一級品を継続
驚くべきはそのメロディーの質の高さの持続である。今作もシングル曲はもちろん、アルバム曲、インストに至るまでメロディーに深みがあり面白い。曲の質がら、明るく楽しむ用途として音楽を聴く人には敬遠されるのであろうが、是非一度彼女の曲を聞いてメロディーラインのパワーを感じ取って欲しい。誰もがその勢いに屈するであろう。

【短所】
▼変わりばえない
全然変化がないだけに、曲の区別がしにくい。どれもメロディーの質が高すぎるので、初心者にはシングル曲とアルバム曲の区別さえつかないだろう。慣れてきたらこれはこれでいいのだが、アルバムとして風化が早そうな気もする。
▼捨て曲あり
こうしてしばじゅんワールドを堪能していると、どうしても「いつか王子様と」と「道端」が捨て曲に聞こえる。中盤から後半にかけてこういう曲を詰められると萎える。インスト曲の2曲は全然気にならないのに、どうしてもここの2曲は引っかかる。
▼何か足りない
アルバム曲としてのキメ曲を見つけにくい。なるほど全部いいし、4曲目「あの夏」に落としどころを持ってきてもいいのだが、なんかシングル曲と一色たんになってしまい面白味に欠ける。すごい贅沢な要求なのはわかっておりますが。

【総評】 A
ほぼ傑作。Sでもよかった。ただ際立って目立つ曲が見つけにくく、またメロディーが均一化されて風化が早そうなことからAで勘弁。まあこれを無理に直してくれとは言わないが。