w-inds. ageha

ageha(初回限定盤)(DVD付)

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ageha 1位 05'6/1


デビューから早くも4年、去年リリースのベスト盤からも1年ぶりのアルバム。「変わりゆく空」など5曲のシングル曲(ベスト盤収録の「Pieces」と「キレイだ」含む)を収録した、純正統な4thフルに仕上がっている。

【収録曲】
1.Lil' Crazy 2.Party Down 3.キレイだ 4.夏空の恋の詩 5.四季 6.ageha 7.song 4 U 8.Pieces 9.変わりゆく空 10.夢の場所へ 11.マバタキの夢 12.Color me 13.タイムマシーン 14.Gift

【長所】
▲正統な4thフルアルバム
アイドル的人気があるユニットにしては、ベスト盤を挟みつつも特に今までの足並みを乱さずに進んでくれているのは喜ばしい。特にベスト盤にも収録されたシングル「キレイだ」が何事もなかったかのように収録されているのが面白い。
▲豊富な曲数+曲質
シングルが5曲あると言っても、全14曲という豊富なランナップは長所だ。後半はアルバム曲が幅を利かせ、コアなファンでも十分楽しめる作りになっているのも好印象。曲も悪くない。
▲シングルのようなダンス曲に固執してない
シングルは甘めのダンス曲を毎回放出してくるが、アルバムはいろいろ挑戦。ハードロックにHIP-HOP、極上のバラードまで、彼らのイメージを崩さない範囲での選曲だが、これまでのアルバムと比べるとかなりジャンルは広いと言える。
▲意外にも本格的
ジャンルの広さだけでなく、内容も意外に手を抜いていない。甘い幻想を抱いているファンを無視したような本格派音楽が多数、幻想は詞でごまかしてる…みたいな感じも。作曲陣には葉山拓亮原一博スキマスイッチ、それに本場の人っぽい名前も見られかなり豪華。特にスキマスイッチ作曲の「マバタキの夢」ははなまる。

【短所】
▼衰えは隠せない
ベスト盤後ということもあって、全体的な勢いにはどうしても欠ける。初期のような若々しさはかなり磨り減り、また成熟にも中途半端な感じがする。総合的な雰囲気としてこの点が隠せていない。
▼中盤シングル抗戦が失敗め
シングル曲は5曲収録されているが、そのほとんどが中盤で消費される。いくらアルバム曲に重きを置いたとは言え、これはちょっといただけない。ただでさえ既にベスト盤に収録されている曲もあることだし、一息つく中盤でこうタラタラと羅列されると…。正直印象に残る曲でもないし。
▼キメバラードが2曲
タイトル曲「ageha」は6曲目に来ている。通常あまりタイトル曲に固執することはないと思うが、なんとこの曲、極上バラード感動系別れの曲、つまりラスト曲にぴったりの形式を取っている。14曲目「Gift」もシメとしては悪くないが、この質でタイトル曲ならなぜ…と、何だかしっくり来ない。
▼豪華な中の落とし穴
豪華な作曲陣は長所だが、なぜかその力の入ってる曲にパワーを感じない。例えば原一博の「夏空の恋の詩」は彼らしく、そしてw-inds.らしくもあるポップスで曲順的にも重要な4曲目に来ているのだが、何だか少し肩すかしを食らったように失速する曲と言わざるをえない。こういう曲がかなり多く、結果小さな穴ぼこが目立ってしまう完成度になっている。

【総評】 B
シングル曲もそこそこ、アルバム曲も総合すると中くらい。意外に音楽に力点が置かれていた点は評価できるが、なんとない穴が多すぎる。やはり悪くはないレベルに落ち着く。