奥田民生 comp
- アーティスト: 奥田民生
- 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2005/04/27
- メディア: CD
- クリック: 24回
- この商品を含むブログ (81件) を見る
フルアルバム「LION」の後何の前触れもなく、もちろん先行シングルもなくリリースされたミニアルバム。これがぼちぼちとやりたい事をやっている彼らしい出方だと言えるかも?
【収録曲】
1.ギブミークッキー 2.快楽ギター 3.ベビースター 4.細胞 5.海の中へ 6.スタウダマイヤー 7.船に乗る
【長所】
▲奥田による奥田らしい作品
決まった道筋を辿った通常のアルバムとは違い、自分のやりたい事をシンプルにそのまま詰め込んだ作品。そのため彼本人が悠悠自適に制作したんだろうなぁーということが接に感じられる。本当はミュージシャン一人一人がこんな活動をしてくれたらいいんだけど。
▲音楽である
彼の曲はどうしていつもこんなにも音を純粋に楽しめる作りになっているのだろう。複雑な絡み合い、音の具合を感じさせず(それがあるなしは別として)、常に僕らにシンプルな音を楽しませてくれる。彼こそが音楽というものの特性を一番理解しているアーティストなのだろう。唐突なミニアルバムということで、その熱はこれまで以上に高まっている。
▲ミニアルバムの特性
曲数が少なく中途半端なミニアルバムというものは、90年代前半は曲数を抑えなおかつ売上げを減らさない方法、という企業戦略的な使われ方をしたイメージがあるが、こういったアーティストの場合は全く別物である。自分の作ったものを意識的に編集、手軽にリスナーに伝える手段として選択されているものと思われる。悠悠自適曲は7曲でも十分でしょ?
【短所】
▼いきなりのミニアルバム
ファンなら構わないのだが、こういう風にいきなりミニアルバムを出されると非常に戸惑ってしまう。印象付けも難しく、この行為自体がマイナス面を持ち合わせているのは事実だと思う。
▼ホントのファン向け
上記の彼の長所を理解し、なおかつ彼自身、曲風にも興味がある人に特化して作られている。まあ本人が自由気ままに作ったのだからそうなるのは普通なのだが、一般の新たなファン層を拡大する効果はゼロに近い。
▼音ももちろんファン向け
彼そのものの音が詰め込まれているので、嫌いな人、一般の人におすすめできる作品ではない。とりたてて印象に残る曲ももちろんなく、最後もだらだら終わる。
【総評】 D
とにかく彼を理解していないとほとんど長所を感じられない作品。駄作で片付けてしまうのは簡単だが、理解さえすれば順当に楽しめる作品にもなるので興味を持った人だけどうぞ。